ロイジニ30題
□11-宿題
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あるのどかな昼下がり。
学校の授業をいつものように寝て過ごしたロイドは、宿題に追われていた。
「ひえ〜…多すぎだろ…。」
「しかも1問も分からないんでしょ?」
そしてそれを見ているボク。助けてやる気は、ない。いつもはボクのノートを貸して写させているが、毎日毎日泣きつかれるのもうんざりだった。
「なあ、いつもみたいに…。」
「ダメ。たまにはこうしないと、本当に一生バカで過ごすことになるよ?」
「バカでも、敵と戦う力があれば生きていけるさ。」
「そうじゃなくってさ…。」
15歳にもなって、ボクが6歳の頃に読めたと思われるような漢字すら読めないロイド。これではまずい。
「だってしょうがないだろ。できないんだから。」
できないものはできない、とロイドは言う。だから写すより他に手はない、と。
「なあ頼むよ〜…。次から自分でやるから…。」
ボクは耳を疑った。自分でやる? ロイドが?
「本当に?」
「ああ。だから今回だけは…。」
今にも泣きそうな顔で懇願するロイド。
「じゃ…今日が最後だよ。」
「ホントか!?」
「次はもう貸してやらないからね!」
「ああ。ありがとな、ジーニアス!」
そして翌日…
またも泣きついてきたロイドを、ボクは冷たく突き放した。
→後書き