ロイジニ30題

□10-身長差
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ロイドは背が高い。
まあボクより5歳も上なのだから、仕方ないといえば仕方ないけど。
それでも、約30cmの差は大きいのだ。

「ごめんね? ボク小さくて…。」
「ん?」

いつものようにキスした後、ボクは謝った。

「キスするとき…ロイドが屈んでくれないと、届かないじゃない。」
「…ああ、そういうことか。」

ロイドに頭を撫でられる。
顔を上げると、いつものような優しい瞳がボクを見ていた。

「いいんだよ、小さくて。」
「え?」
「その分可愛いんだから!」

ハハッ、と笑うロイド。何だかバカにされてる気がして悔しい。

「…何だよ、それ!」

ロイドを睨みつける。

「怒るなよ、誉めてるんだからさ。」
「…本当?」
「ホントホント。」

そう言いながら、ロイドはボクをベッドに押し倒した。

「寝転べば、身長差も分かんなくなるだろ?」

頭を揃えるように、横にロイドも寝る。

「…うん。」
「だから、気にすんなよ。そんなこと。お前のためにちょっと屈むぐらい、何てことないしさ。」
「…ボクも、まだまだ伸びるといいな。」

そんなに高くなくてもいい。でも子供扱いされないぐらいの身長は欲しい。
何だかんだでロイドも子供扱いするときもあるし。

「まあ、まだ成長期だし、ボクもいつかロイド抜いちゃうかもよ?」
「え〜…。それは何か嫌だな。」

確かに…想像してみると変だ。
でも、せめてあと15cmぐらいは、伸びるといいな。


→後書き

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