ロイジニ30題
□09-双剣士
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双剣士――二本の剣を同時に扱う者。
ボクにとっては一本振るだけでも大変なのに、二本も同時に振ることができるロイドはすごいと思う。
何で二刀流なの? と聞いたときの答えは、あまりにもロイドらしかったけれど、それなりに(ボクからすれば十分)扱えているのだから、まあ問題ないのかな…。
実際、後ろから見る、戦闘中のロイドはかっこいい。時には二本とも攻撃に用い、時にはボク達後衛への攻撃を一本で防いでくれる。
今日も、それに助けられた。
「さっきはありがとう、ロイド。」
仲間たちを先導して歩くロイドのところへ行き、お礼を言う。
「さっき?」
「ほら、剣でボクを守ってくれた…。」
「ああ、あの時か。」
思い当たったようにうなずくロイド。
「気にすんなって。怪我とか、できるだけさせたくないからさ。特にお前には。」
その優しさが、どうしようもなく嬉しい。そしてロイドが愛しい。
だから、聞きたくなった。
「何で?」
「え?」
「何で『特にお前には』なの?」
悪戯っぽく聞き返すと、ロイドは困ったように頭をかいた。
「そりゃあ…。」
戸惑うロイド。
「言えねえよ、ここじゃ…。」
仲間たちは後ろにいるのだ。ただでさえ会話がさっきからずっと小声なので、怪しまれているかもしれない。
「じゃ…宿で教えて?」
「お前…答えが分かって言ってるだろ。」
「へへっ。」
分かってるよ。
でも、続きが聞きたいから。
「おっ、見えてきたぞ。」
街はもうすぐだ。
→後書き