ロイジニ30題

□09-双剣士
1ページ/2ページ


双剣士――二本の剣を同時に扱う者。

ボクにとっては一本振るだけでも大変なのに、二本も同時に振ることができるロイドはすごいと思う。

何で二刀流なの? と聞いたときの答えは、あまりにもロイドらしかったけれど、それなりに(ボクからすれば十分)扱えているのだから、まあ問題ないのかな…。

実際、後ろから見る、戦闘中のロイドはかっこいい。時には二本とも攻撃に用い、時にはボク達後衛への攻撃を一本で防いでくれる。
今日も、それに助けられた。

「さっきはありがとう、ロイド。」

仲間たちを先導して歩くロイドのところへ行き、お礼を言う。

「さっき?」
「ほら、剣でボクを守ってくれた…。」
「ああ、あの時か。」

思い当たったようにうなずくロイド。

「気にすんなって。怪我とか、できるだけさせたくないからさ。特にお前には。」

その優しさが、どうしようもなく嬉しい。そしてロイドが愛しい。
だから、聞きたくなった。

「何で?」
「え?」
「何で『特にお前には』なの?」

悪戯っぽく聞き返すと、ロイドは困ったように頭をかいた。

「そりゃあ…。」

戸惑うロイド。

「言えねえよ、ここじゃ…。」

仲間たちは後ろにいるのだ。ただでさえ会話がさっきからずっと小声なので、怪しまれているかもしれない。

「じゃ…宿で教えて?」
「お前…答えが分かって言ってるだろ。」
「へへっ。」

分かってるよ。
でも、続きが聞きたいから。

「おっ、見えてきたぞ。」

街はもうすぐだ。

→後書き

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ