ロイジニ30題

□08-ハーフエルフ
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ジーニアスはハーフエルフだ。

すなわちそれは、寿命が俺の10倍近くあることを意味する。

もし俺が死んでも、ジーニアスはその後900年も生き続ける…。

果てしなく長い時間。

「ボク…900年も、ロイドなしで生きていられる自信ないよ…。」

前にジーニアスがぼやいた言葉。その意味は、誰よりも本人が知っているはず。

ジーニアスの人生の中で、俺と過ごせる時なんて、ほんの一部に過ぎない。
その後は、俺の幻影を追いかけながら、一人で生きていくのだろうか。
それとも、記憶はどんどん薄れていくから、200年後には俺のことなんて忘れてしまうのだろうか。

「ロイド…眠れないの?」

俺の腕の中のジーニアスが、心配そうな表情で問いかける。

「いや、ちょっと…考え事してたんだ。」
「そう…。」

俺はジーニアスを抱く力を強くした。この感触を、温もりを、そして俺のことを、永遠に忘れないでほしいから。

→後書き

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