ロイジニ30題
□07-喧嘩
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些細な原因で、人と人とのすれ違いは起こるものだ。
クラトスに言われた言葉。
――今日、その意味がようやく分かった気がする。
本当にきっかけは些細なことだった。
ミトスが仲間に入ってからのジーニアスは、何かというとミトスミトスってうるさくて。
…少しは俺の気持ちも考えてくれよ、お前の恋人は俺だろ? …というような薄汚い感情が段々と俺の中に芽生え始めた。
そんな自分が嫌だったが、こればかりはどうしようもなかった。
ジーニアスと話していても、いつもより距離を感じるようになって、いつからか俺からはほとんど話しかけなくなってしまった。
ジーニアスもそれに気づいたらしく、自然と会話はなくなって。
宿屋の部屋の決定権は俺にあったから、ジーニアスと同じ部屋にはならないようにしていた。
…最低だな、俺…。
分かってはいたけど。
「最近、ロイドとジーニアス、あんまり話さなくなったんじゃない?」
コレットが心配顔で言う。
「そ、そうか?」
慌てて答える俺。
「うん…。喧嘩でもしたの?」
「いや、何もないけど?」
バレバレだよな…。
仲間からそう思われるのが嫌だったから、今日はジーニアスと相部屋にした。
そんなことにも罪悪感を感じて。