ロイジニ30題
□05-遊びに行こう!
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旅の途中、俺はアルタミラで、ひょんなことから遊園地のフリーパスを手に入れた。
「遊びに行こう!」
数日後の朝食の時に俺は叫んだ。
「…どこへ?」
訝しげに尋ねる先生。
「遊園地だよ! ほら、フリーパスもらったじゃんか。」
…まあ、遊んでる場合じゃないのは分かってるんだけど、たまには気を休めるのも必要だろ、と言ったら思いの他みんな賛成してくれたので、今俺達は遊園地にいる。
そして二人一組で自由行動をすることになった。
俺とジーニアス、コレットとプレセア、先生とリーガル、そして…
「なんでアタシがこのアホ神子となんだい!」
「まあまあ、成り行きで仕方ないでしょーが。」
怒るしいなと、それをなだめようとするゼロス。
二人を放っておいて、俺達はまずコーヒーカップ…じゃなくてティーカップに向かった。
「まずこれに乗ろうよ!」
ジーニアスに言われて二人で乗り込んだが、調子に乗って回しすぎたせいか、かなり目が回った。
「うぅ〜…フラフラ…。」
「大丈夫? ロイド?」
「大丈夫…じゃないぃ…。」
「じゃ、あのベンチで休憩しようか?」
ジーニアスが指差した先には確かにベンチがあった。
「ああ、ありがとな…。」
俺がベンチに座ると、「ちょっと待っててね」と言ってジーニアスはどこかへ行ってしまった。ベンチに座ってもまだ目が回る。ああ、早く治れ。せっかくジーニアスとデート中なんだ。
しばらくして俺はようやく意識がはっきりしてきた。
「お待たせ〜!」
戻ってきたジーニアスの手には、二つのソフトクリーム。
「お、サンキュー。」
「もう良くなったの?」
「ああ、だいぶな。」
なかなかうまいソフトクリームだ。隣のジーニアスを見ると、ペロペロとうまそうになめている。
…やっぱ、綺麗だ。
思わずウットリしかけてハッと我に帰る。
「どうしたのロイド?」
あー、気づかれたみたいだ。
「いや、何でもない何でもない。」
お前がソフトクリームなめるの見て可愛いなぁと思っただなんて言えない。
「そう? 具合悪くなったら言ってね。」
「ああ。」
しばらくしてソフトクリームを食べ終わった。まだ食べているジーニアスの方をジーッと見る。
「なに? 欲しいの?」
訝しげに言うジーニアス。それを聞いてあることを思いついた。思わずニヤリ。
「ああ、欲しいな。」
「ダメ、これボクのだから…っ!?。」
突然唇を塞がれて驚くジーニアス。口内に舌を這わせ、ソフトクリームの余韻を堪能する。
ジーニアスは抵抗したが、俺が強く頭を押さえていたので、無意味だった。
やがて口を放すと、やはりジーニアスは真っ赤だった。
「…バカ! いっぱい人いるのに…!」
「まあまあ、お前綺麗だから女だと思う奴もいるだろ。」
実際、みんなそうだと思うんだけどな。仲間たち以外は。
「いないよ! それにそういう問題じゃなくて…。」
「なに?」
「恥ずかしいじゃん、こんな場所で…。それにコレット達に見られたら…。」
「見てねえよ、きっと何かに乗ってるだろ。」
「そんなの…。」
「俺、アイス食べたかったの。お前の口から。うまかったぜ?」
「…バカロイドっ。」
顔を背けるジーニアス。照れ隠しだろう。
「可愛いなぁ、お前。」
「そんなこと…。」
ジーニアスはますます俯いてしまった。
「ほら、次乗りに行こうぜ。」
「…うん。」