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□予兆
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「いってらっしゃい」

母さんがいつものように笑顔で玄関まで見送ってくれる

「…いってきます‼」


ドアを静かに開け、外へ足を踏み出す。すると、心地良い風がオレの横を通り過ぎていった。

「今日はいい天気っすね」
「そうだな」

2人の言葉につられて上を見上げると、そこには雲一つない大空が広がっていた。


「そうだね。今日、いいことあるかな…」
なんて思っていたら、








「ツナくん、おはよう!」
「京子ちゃん‼お、おはよう!」

(朝から京子ちゃんに会えるなんて超ラッキー!本当に今日はいいことあるな〜)
とその時…






「沢田ーーーっ!朝のロードワークは極限に気持ちいいぞ‼お前も一緒に走らんか?」

「お、お兄さん‼…結構です…」
「そうか…しかし、ボクシングには極限に基礎体力はつけとかなくてはならんぞ!」

「いや、そもそもボクシング部には絶対入りませんから‼」
(この人まだオレをボクシング部に入れる気だ〜‼)

「おい、芝生頭‼十代目の手を煩わせるんじゃねぇ!」
「なんだと、タコヘッド⁉」

「ははっ、なんだか楽しそうなのな♪」
「ちょっ、山本〜」

そして朝の静かな住宅街はオレたちの笑い声に包まれていった。



























「君たち、何群れてるの…」

学校に着いて早々、”風紀”の字が刺繍されている腕章をつけたヒバリさんが現れた。

「すっ、すいません‼」
どうしよう…これはかなりヤバイ…


オレたちの通っている並盛中の風紀委員長のヒバリさんは群れることを嫌う。


「まあまあ、いいじゃねーか」
「良くないよ。並中の風紀を乱すやつは噛み殺すよ。」

ーーーヒュッ…

とヒバリさんのトンファーが空を切る音がした。
「ひいいいっ!(やっぱヒバリさんこえーーっ!)」
「あはは、やっべぇーな」
さすが、運動神経抜群の山本!と言いたいところだけど、いくら山本でも次はないだろう…。

このままじゃ、マジで噛み殺されるよ…
その時、




「委員長、今日はお止めになったほうがいいのでは…」

…ん?というヒバリさんの不機嫌な声と共に鋭い目が草壁さんに向けられる。

「ワォ。いくら副委員長だからって、僕に指図するなんていい度胸だね…」
「いや、委員長…!ぐはっ…」

ヒバリさんのトンファーが草壁さんの顔に直撃した。

ドサッと草壁さんの体が地面に叩きつけられる。
ヒバリさん、恐るべし…そして草壁さんごめんなさい!!



「…ん?」
ヒバリさんの顔が少し曇った気がした。


「ヒバリ、さん…?」
「なんでもないよ…まぁ、今回は見逃してあげるよ。今度僕の前で群れてたら噛み殺すよ…。ほら、行くよ。」

すると草壁さんは素早く立ち上がった。
「はい…!」

そしてこちらを振り返ってお辞儀をしてヒバリさんと校舎の中へ去っていった。

「ふぅ…よかった〜!…でもヒバリさん、なんだか様子がおかしかったような…」

「どうしたんすか、十代目?」
「あっ、何でもないよ!じゃあ、教室にいこっか‼」
「はいっ!」

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