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□懐かしい日々
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「いつまでもしけた顔してんじゃねーぞ」
「リボーン…」
ユニとγはあの戦いで失った大事な"仲間"だ。
オレたちを平和な過去に戻すために、ユニは
≪命の炎≫を色の失ったアルコバレーノのおしゃぶりに注いでくれた。
そのおかげで、10年後では死んでしまっていた5人のアルコバレーノたちはよみがえった。それと引き換えにユニとγは…
でも、ユニはγに抱きしめられながら、涙を流して幸せそうに笑って消えていった。
(本当にこれでよかったのかな…)
「よかったんだぞ」
まるでオレの心を読んだかのように、リボーンがはっきりとオレに告げた。
「お前は白蘭によって支配された悲惨な世界を、未来を平和にしたんだからな。」
「でも…」
「これでよかったんだ」
リボーンにしては珍しく、オレを安心させるように言った。
「…っ、あのさ…!」
「ツッ君、早く起きなさ〜い!ご飯できたわよ〜!」
「ママンが待ってるぞ。早く行かないとオレが全部食っちまうからな。マフィアの世界はそう甘くないからな。先行ってるぞ」
「ちょっ、待ってよリボーン!」
階段を降りて行く音がしたと思ったら…
ーーーバタン!
「おはよーございます、十代目‼」
「よっ、ツナ!」
すごい勢いでドアが開いた音がしてすぐに、
聞き慣れた2人の声が聞こえてきた。
「獄寺くん、山本‼どうしたの?こんな朝早くから…?」
「はははっ、ごめんな?久しぶりの学校だったからつい…ちょうど途中で獄寺と会って一緒にきたんだぜ」
「ち、違うんですよ、十代目‼この野球バカが勝手についてきたんです‼」
相変わらずだな〜…
山本もそう思っていたのか、
オレと山本の笑い声が玄関に響き渡る。
「じゅ、十代目まで〜…」
「あっ!そういえばオレまだパジャマだし、朝ごはんも食べてなかった…‼」
「あの、十代目…オレもまだ食ってないんすよ…」
「はははっ…オレも飯食わないで来ちまったのな」
ということは…。
「あら、山本くんと獄寺くんじゃない!ご飯まだ食べてないんだったらうちで食べて行ったら?」
あーーー、タイミングいいんだか、悪いんだか…
でも、たまにはこういうのもいいよね…
ーーータッタタタタ…
「ランボさーん、とーじょーっ‼」
「ランボ、家の中で走り回らない!」
騒がしく家の中で走り回るランボをイーピンが追いかける。
…10年後から帰ってきてからはみんなそれぞれ休んでいたからこうして顔を合わせるのは久しぶりだ。
「うるせーぞ、アホ牛‼」
「はははっ、朝から元気なのな」
「お前も笑ってないで、手伝いやがれ!」
なんだか懐かしい感じがする…。
(学校に行ったら、京子ちゃんやお兄さん達にも会えるんだ…!)
そうだ、学校に行くのも10年後から帰ってきてから行ったあと、それっきりだ。
「このままずっと平和な日々が続けばいいのにな…」
「なにか言いましたか、十代目?」
「ううん、なんでもないよ!じゃあ、朝ごはん食べようか!」
「はいっ‼いただきます!」
「あら、隼人。来てたのね…」
「うぐっ…ア…ネキ…」
「ご、獄寺⁉」
「獄寺くん大丈夫⁉」
こうして久しぶりに騒がしい朝が訪れたのだった。