薔薇色の空間
□消えた左翼を捜す旅
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(獅子学んときみたいやね…)
周りの音が全部きえて
自分と彼だけしかいなくなったような感覚
これは向こうにいたときに毎日のように味わってきたものだ
あの事故の事すらも忘れて
ただあの頃のように没頭したい
でも確かに不確かな視界と
ネットの向こうの眩しいばかりの短髪が
あの事故をなかった物にはできないと告げている
正直言って桔平を憎まなかったわけじゃない
(桔平の事はすいとおよ)
でもこれも本当なんだ
あれは事故だ
ならなぜ桔平はあのとき笑っていた?
桔平とは親友
彼はテニスをとったのに?
桔平だってテニスをやめた!
東京ですぐに始めたよ
好きと嫌いが相殺してごちゃごちゃになって
そこから動くなと告げている
(もう…どうすればええのか解らんっちゃよ)
ふとコートチェンジのときに向こうで
仲間”と話す君を見つけた