薔薇色の空間

□深海に沈む
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私は何をすればいいのでしょうか?
いえ…何かをしなければいけないのでしょうか?
何もしたくはない…
ずっとここで微睡んでおきたいのに
眩しい銀色がそれを許してはくれない
また…光る光る
ちらちら
ちらちら
こちらへ来いと…?
ああ、駄目だ見失ってしまう
まあ…いいか
このままここに居れば傷つかずにもすむんですから

眠れない…
あの光を見たせいですね
あんなに自由に…
楽しそうに…
羨ましい
私には無理だ…
汚れた自分にあそこに並ぶことは許されない
いびつな笑みであそこに立つことは恥ずかしい
だから…
もうほっておいてください

寂しい…
もう何日もあの光を見ていない
甘えていたんでしょうか?
ああはいってもまた来てくれる…と
まだこない
何かあったのでしょうか…?
ああ、いっそこちらから探しに行ってしまおうか
何年も感じていなかった感覚
体の浮上する感覚に身を任せてみる
心地よい…

「やっと出てきたの。待ちくたびれたぜよ」
突然の光
「お前さんが自分から出てこんと意味なかったからの。寂しかったか?」
周りで笑う仲間の姿
その真ん中で笑う光に迷わず飛び込んで行った

さよならわたしの海
これからは彼と同じ空で生きよう…
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