銀魂短編
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高杉〜理想の男〜
耳まで真っ赤にしながら頑張る姿に胸がキュンとしてしまった。
きっと、すごく恥ずかしかったはずだ。でなければ、わざわざ人払いなんてしないだろう。
改めて高杉様を見ると、彼はうつむきがちに人差し指で頭をポリポリかいている。
キュッと噛み締めた唇が、恥じらいを物語っていた。
高杉様ほどのカッコいい方が、なぜそこまでして私の理想を叶えようとしてくれるか分からなかった。でも。武市様の言う通り、すごく愛情深い方なのだと思った。
「…高杉様」
名前を呼ぶと、弾かれた様に顔を上げた高杉様の瞳とぶつかった。その瞳は熱を持って揺らいでいる。
彼はバツの悪そうに少し咳払いをして、ゆっくりと私に向き直った。
今度はまっすぐな、強い瞳で。
「(名前)、俺ァお前が好きなンだ。ずっと見てた。ずっと好きだった。そしてこれからも…――
ずっとずっとずっと、お前が大好きだ」
寒くもないのに、身体中が震えた。むしろ熱いくらいだ。
このままじゃ燃えて塵(ちり)になってしまいそう。お願い。早く火を消して…。
「お前の理想に近づける様努力する。だから俺と、夫婦(めおと)になってくれ…――」