*BLEACH*

□『危険な遊びは密室の中で』@京剣
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ある非番の一日。



昨日のお酒が抜けず、僕は昼頃まで寝こけていた。



目を覚ました時には二日酔いもなかったので、
よく寝たと言うようにうーんと伸びをして縁側に出る。



透き通るような綺麗な青空。



ふとある事を思いつき、僕は着替えてある場所へと向かった。





目的の場所へと向かう道。



なんだか少し、自分がそわそわしているような感じがする。



気のせいかもしれないが、なんとなく落ち着いていないような感じ…



この日、自分が何かしでかしてしまうような、そんな気がする。



(…気のせい、だよね…うん…)



確信もないし、とりあえず気にしない事にした。



頬を片手でペチペチと叩き、再び目的地へと歩を進める。



その足取りは、心なしか軽く感じた。





十一番隊隊舎の、隊首室の前。



目的地に到着した僕は足を止め、身だしなみの最終チェックをする。



これから会う人物には、いつでも完璧な姿を見せていたい。



なんせその人物は、僕の恋人なんだから。





「よしっ…!」



僕は自分に気合いを入れ、目の前の扉を開いく。



「おーい、けーんぱーちくぅーん。」



室内に入るなり、そこにいる人物の名前を満面の笑みで呼ぶ。



「うわ、また来やがった。」



「うわって…酷いなぁ、おじさん泣いちゃうよー?」



ヘラヘラと笑いながら言う僕に、彼は呆れた
視線を向けて小さな溜め息をつく。



そんな相手を気にする事なく、僕は室内のソファーに腰掛けた。



彼はこの隊の隊長、更木剣八。



一応恋人ではあるのだが、セクハラ癖のある僕に
あまり近付こうとしない。



まぁ、彼が近付いてこなくても、毎日
僕からくっつきに行くんだけどね。





彼は、来て早々に自分の隊首室で普通に寛ぐ僕を、
邪魔だと言うように横目で見る。



そんな彼に、僕はニコッと笑って返した。



「…お前、行くとこねぇのかよ。」



「ん?…あるよ、ここが。」



「そうじゃねぇ馬鹿、他にねぇのかって聞いてんだよ。」



「他ねぇ…んー…強いて言うなら、君の行く場所かな?」



「…はぁ…もういい。」



諦められてしまった。



僕はぶすっとした表情を作り、つまらないなぁと言って相手を見詰めた。



それに対し、向こうは何の反応も示してくれない。



「剣八くーん、僕寂しいんだけどなー」



やっぱり無反応。



(困ったねぇ…よし、向こうがその気なら…)



僕はソファーから立ち上がり、自分の机に向かって、
仕事をするでもなくただただぼーっとしている相手を後ろから抱き締めた。



「なっ…おい、抱きつくんじゃねぇよ!」



「それは出来ない相談だねぇ…誰かさんが構ってくれたら、
話は別なんだけど…」



「あのなぁ…こんなん、いつもの事だろーが。」



「うーん、でもねぇ…たまには、相手してくれても良いんじゃない…?」



僕は彼の耳元に口を近づけ、わざと吐息混じりに囁く。
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