*BLEACH*
□『君の匂い〜マユリ編〜』@マユ剣
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ー十二番隊隊舎・研究室ー
「なぁ…涅ー。」
俺はソファーに横になって、十二番隊の隊長にやる気のない声を掛ける。
「……。」
何の反応も帰ってこない。
「くーろーつーちー」
今度は全体的に伸ばし気味で名前を呼ぶ。
「………。」
しかし、これも完全に無視。
ここまであからさまにシカトされたら、流石にムカついてきた。
俺はガバッと起き上がり、身を乗り出して声を上げる。
「オイコラ、涅っ!!」
「煩いネッ!!少し静かにしたまえヨ!!」
「っ……!?」
急に怒鳴られ、体がビクッとしてしまう。
確かに俺も、ちょっとしつこく呼びすぎたかもしれねぇが…
「そんな…怒鳴る事、ねぇだろ…」
ガラにもなくシュンとしてしまう。
そんな俺に涅が近付いて、下から顔を覗き込んできた。
「お前、何を上機嫌になっているんだネ?」
「なっ…べ、別に…上機嫌に、なんか…//」
図星を突かれ、俺は相手から視線を逸らしてしまう。
しかし涅はそれを許さず、俺の顎を抑えて自分の方に向かせた。
「目を逸らすんじゃないヨ…いったい、どうしたというんだネ?」
「っ…だって、よ…明日は、久し振りにお前と非番被って…
今日、初めて…泊まり、だから…」
俺は目線だけ相手から逸らし、ボソボソと聞こえるか
聞こえないか程度の声で質問に答える。
すると、俺の顎を抑えるマユリの手がピクンと動いた。
「更木…今は研究室だから良いが、私と二人きりの
時にそんな反応はしない方が良いヨ…」
「えっ、なん…んっ//!?」
なんでだと聞こうとした瞬間、相手の唇が俺の唇に重ねられた。
一瞬の事で、何が何だか分からない…
「あっ…く、涅…//?」
「ククッ…もう少し待っていなヨ、終わったら相手をしてやるから。」
涅は俺の髪をクシャクシャと撫でながらそう言い、
研究へと戻って行った。
なんだか訳が分からなくて、ただただポカンとするばかり…
「っ…なんなんだよ、あいつ…//」
俺は片手で真っ赤になっている顔を覆い、はぁ…
と小さく溜め息をついた。
あれから数十分。
やっと作業が終わったらしく、涅がソファーに
寝転がる俺に近付いてきた。
「待たせたネ。ほら、さっさと起きたまえヨ。」
「テメェ…人の事待たせといて、なんだよその言い方。」
「いつもの事だろう?ほら、早くしたまえヨ。」
「チッ……」
涅の言葉に俺は小さく舌打ちをして、
さっさと自室に戻ろうとする相手を追い掛けた。