The secret hp
□学生リーマス/独占
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「…何だい?急に」
リーマスは顔だけをこちらに向けて笑顔で言った。
いや、これは明らかに作っている。
「だって、」
ジルは何も答えないまま、リーマスの首筋を人差し指でなぞった。
「…誘ってるの?」
リーマスもまた、まわりに聞こえないくらいの声でジルに囁いた。改まって言われると恥ずかしくなってくる。
「そんなんじゃないよ」
なんて、見栄を張ってしまう。
「ふーん、」
リーマスは口の右端だけを上げて笑うと、ジルの二の腕を掴んだ。そして、ぐぐっと自分のほうへ近づける。
「……っ」
ギリギリまで唇を近づける。もう少しで唇がつきそうなのに、あえてつけさせない。
リーマスは見下すようにジルを見た。
「もしかして、妬いた?」
「な、なによ…それ」
ジルはふっと視線を逸らした。
さっきとは違う目つきでジルを見つめる瞳に耐えられなくなった。
「逸らさないでくれよ」
リーマスがフッと笑い、そのまま触れるだけのキスをした。
ちゅっと小さな音が鳴る。
そして、リーマスは暖炉の前にいるルームメイトを横目でちらっと見て言った。
「人前はいつも以上に燃えるね?」
「・・・・。」
ジルもちらっと近くにいる人を見ると、むこうもこちらをちらちら見ていた。…そしてあの女の子も。
それがなんだかものすごく優越感だった。
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