The secret hp

□学生リーマス/独占
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「リーマスー」

「何だい?」


獅子寮の談話室でソファに座っているリーマスに後ろから声を掛けた。
「?」というような顔をして後ろを向くリーマスが可愛い。

「なんでもない」

「え?」

なんとなくリーマスと話したくて、特に用はなかったけど話しかけてみた。

「ふーん」

「・・・・。」

そう言うとリーマスは本と手にとって読み始めてしまった。
ジルが「もー」というが、リーマスは無視。


なんだか最近、自分への扱いが荒い気がする。
そんな不満を感じていると、暖炉の前にいた女の子がリーマスのところへやってきて何やら話を始めた。

リーマスは監督生だからいろいろ確認することがあるらしい。
女子なんだからリリーに聞けばいいのに。


「・・・・、・・・わかったわ。ありがとう。」

「いいえ。」


お礼を言う女の子に笑顔で返すリーマス。
その光景をすぐ後ろで見ていた。

「あ、そういえばね、リーマス。」

「ん?」

続けて話そうとする女の子。
変わらぬ笑顔でそれを聞くリーマス。

「・・・・。」

…と、それを後ろで眺めるジル。

自分とリーマスは一応…いや、確実に恋人のはず!
というか、この女の子、確か4年のときリーマスに告白をした子だったような…。

そう聞いてなぜか冷や汗が流れた。
だってものすごく可愛い女の子だから。

いや、正確に言うと当時よりだいぶ可愛くなっていたから。


「・・・・・、あ、じゃあね。」

「あぁ。」

話が終わったらしい。その女の子は手を振ってさっきいた場所に戻っていった。

考え事をしすぎて会話を聞きそびれた!


そんなジルを知らん振りしてリーマスはまた本を読み始めていた。

なるべく冷静に、ジルは口を開いた。


「リ、リーマスー」

「何だい?」

またリーマスはジルのほうを振り向く。
さっきと同じ光景…。

「…なんでもない」

「ふーん」

また同じことを言うと、同じ言葉が返ってくる。
そしてリーマスはまた体勢を戻し、再度本を読む。


ジルはソファの背もたれに両腕を置き、その上に顔を乗せる。そして、小さくため息をついた。


「…キス、したい」

「・・・・・。」

周りに聞こえないくらいの小さい声で、リーマスの耳元で呟いた。本のページをめくるリーマスの手がぴたっと止まる。



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