The secret hp
□大人シリウス/傍に
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午前2時を回ったときのこと、
「ジル?」
まだ開けきってないドアの向こうから愛しい声を聞いた。
「…シリウス、」
ジルキイッと音を立てて開いたドアから顔を出した。
「何でわかったの、」
「その服の裾が少し出ていたからね、君だと思った。」
シリウスはそれまで体重をかけていたイスの背もたれから起き上がり、
「…おいで。」
と言って両手を広げた。
ジルはシリウスのもとに駆け寄り、その腕の中に飛び込んだ。
「シリウス〜…」
ジルが頬をすり付けると、シリウスの大きな両腕がジルを包んだ。
「どうした?こんな夜中に」
「…眠れなくて」
ジルやシリウス達は今、不死鳥の騎士団本部に滞在している。デスイーターの集団脱獄や、何より例のあの人の復活によって騎士団員の命も危険にさらされている。
そんな状況の中、不安でたまらないのもあった。
「…シリウスは?こんな時間に何をしていたの?」
「私は、…」
シリウスは言いかけたところで窓の外を見た。
ジルもそのあとを追って見ると、空には丸々とした満月が浮かんでいた。
「あ、」
ジルはハッとして口を手で覆った。
シリウスは少し黙りこんだあと、言った。
「…リーマスのことを知ったのは、学生の時だった。私はまだ未熟な子供でね、リーマスが人狼であることを面白がっていたことがあった。」
「シリウス…」
「悔やんでも悔やみきれない、…あの時のことは。」
どうやらシリウスは、脱狼薬を飲んだあとのルーピンに付き添っていたらしい。
月明かりに照らされたシリウスの横顔は、とても悲しくて。
ジルはそっとシリウスの頬をなでた。
そして、そのまま2人は引き寄せられるように…唇を重ねた。
「………っん」
何度も角度を変えて、ゆっくりと互いの唇を包み合った。
やがてシリウスの手が、ジルの服の中に侵入し、背中を撫でる。
「ちょ、シリウス…っ…ここは、だめだよ…」
「心配するな…皆寝てる。」
「だめだっ…て…ぁっ…」
抵抗しながらもシリウスの指の動きに身体が反応して声が漏れてしまう。
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