Galaxy Tales SS

□謝りなさい!!
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「…………はぁ」









しばらく音というものが無かった空間に、いかにも困りました、と言っていそうな溜め息が一つこぼされた。



ため息をつくとその分魂が抜けていくって誰が言ってたっけ。












「あのさぁ」








今更ムダだと思いつつ一応声をかけてみるのは彼の優しさかもしれない。





ちなみに言うと、声の主は決して独り言(または妄想)を言っているのではなく、はたまたパソコンと会話しているなんていうオッサンみたいなことをしているのではない。












「いい加減………」












正確に言うと、自分の両サイドにいるいい年した男2人に向かってしゃべっている。






「嫌なら席変えればいいじゃん。二人とも」















反応なし。














はぁ…………

また溜め息一つ。

ホントに魂が溜め息に乗って全部出ていくのではないか。



そう思いながら、声の主は真っ白な髪をかきあげ、鋭利に見えるやや切れ目の青い瞳を両サイドに交互に向けた。









 ジャックはかれこれもう30分くらいこんなことをしている。







そして両脇にいるのは………



「席替えようにもいいとこないんですって」


自分よりも長身で痩せ、スタイル抜群なのに頭のもじゃもじゃ黒髪天パのせいで場末のお兄さん的雰囲気の漂いまくっているお坊っちゃんのタロウと。





「選びすぎなのがワリーんだろ、他にもたくさん空いてんじゃねーか」

三十路もいいとこなのに外見年齢ー10歳以上の脅威のニヒリスト、エース。








光の国でも知らぬ者はいない、1番ポピュラーなゴシップネタである超不仲の二人に、ジャックは今囲まれている。



……なんとも不幸なシチュエーション。



周りの者達の目はそう物語っている。




その間ジャックは心の中でずっと『コロス』と呟きながら、本日三杯目の酒を煽っていた。








「ジャック兄さん、何か頼みます?」


タロウがタバコを取り出しながら言う。




「いや、いい」



こんな雰囲気でおいしく料理食えると思ってんのかお前ら。





いい加減殴りたくもなる。














っつーか………






「お前ら仲直りするならさっさとしろぉぉおおぉお!!!!」



シャウトせずにはいられない。


一斉にこちらに向けられる好奇の目。






まあなんせ、当事者二人が一向に仲直りしようとしないのだから。





じゃあなんで俺に斡旋頼んだんだよ!?




「………………。」




二人は黙ったまま。




いやいや、俺恥ずかしいわぁぁああ!!一人でシャウトして。




なぜこうなったのか。




理由は結構くだらない。




常時タロウの罵倒発言に堪忍袋の緒が切れたエースがケリをつけようとした。




それだけである。




うーん………なんというか………今更感満載だ。



ずっと前から同居していた(タロウの両親がエースの養親)から……ついに、というか…………




1週間前も同じことをしたからはっきり言ってムダだろう。




長年こうだったんだからこんな一日で変わるのは難しいだろう。






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