Dance In The Dark

□#4 日常
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「おい、神楽!!」




ただいま朝7時。



鳥がピーチクパーチク妙に騒がしく、しかし爽やかに鳴くこの時間。



そして大体普通の人は起き出してくる時間。




ここ、『万事屋銀ちゃん』の面々ものそのそ起きる時。




「あれ、皆さん起きてたんですか」



ただ、普通はこのメガネ……もとい志村新八が起こすのだが。




「ああ、珍しく」


新八の視線の先にいた銀髪の男──坂田銀時が応える。




「銀ちゃーん、早く飯するアルよ」


朝ご飯の催促をするのは万事屋一の大食い夜兎少女・神楽。




「神楽、その前に俺に言うことないのか」



「何アル?」



銀時はコホン、とわざとらしく咳ばらいしてから、

「俺が昨日食べようと思っていたあんまんが机の上から消滅しているんだが………神楽君、覚えはないかね?」

と言った。




「そのキモい口調何アルか。あとアタシじゃないアル」

一刀両断する神楽。


銀時はそのまま視線を横にスライドし、真っすぐ新八の顔を見る。

「いや、僕は違いますよ」


動じることもなく言う新八。



「いやいや、今日の朝を至福の時間にしようと買っておいたものだからねー、しかもコンビニのじゃなくて桐生堂の高級なやつだからねー、銀さん食った奴ぶっ飛ばさないと気済まないからねー、犯人見つかるまで朝ご飯延期しまーす」



「いや買ってすぐ食べろよ、冷めたあんまんっておいしくないだろ、っつーか一夜置いたら腐るだろ」


新八が間髪入れずにツッコむ。ちなみに桐生堂とは最近かぶき町にオープンした甘味専門の高級老舗の分店である。



「しかもそんな高級品買う金よくありましたね」



そこに神楽が言う。

「もう、たかがあんまん一つで何アル。アタシ腹減ってるネ。昨日の夜中おいしいあんまん食べたっきりだから胃がからっぽ………」



「ちょっと待て」


銀時が低い声でツッコむ。

「………あんまんが、どうしたって?」


その声に神楽は一瞬ドキリとしながらもあえて平常心を装った。


「もー、腹減って干物になりそうアル。干物女はいやアル。新八、ご飯準備するアルヨ」


そう言ってその場を離れようとする神楽の腕を銀時が掴む。


「神楽、銀さんごまかそうって言ったってそうはいかないもんねー、さっきあんまん食べたって言ってたよねー」


「知らないアルよ」


「まあまあ二人とも、また別の時に食べればいいじゃないですか」


新八がどうどうとなだめる。それで二人はいかにも渋々、といった面持ちで朝食の準備に取り掛かった。





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