ラブコメその他もろもろ

□お家デート 里都視点
2ページ/10ページ

…………。

あ、れ?

地面にぶつかってない?

確かに倒れたと思ったのに。

なんだか違和感がある。
 しかも不思議とあったかいし。
 ちょうど人肌くらいの温度。

 ……え、人肌?
目を開けると、少し遠くにアスファルトの地面が見えた。

 まだちょっとぼんやりしてるけど、意識はしっかりある。

「りとっ、大丈夫か里都っ」

 聞きなれた声が頭上からふってきた。
 慌て体を起こす。

「「うっ!?」」

頭打ったっ!?
 後頭部が……

「いったぁ」

思わず声を上げてしゃがみこむ。

「それはこっちのセリフだ……。
 しかも急に動くんじゃねえよ」

視線をちょっと左にずらすと、ボクが待ちに待っていたその人、北上翠が同じくしゃがみこんでいた。

「あれ、翠がいる?」

しかもなんで顎をおさえてる上に涙目なの?

「頭」

「?」

 なんだろう。

「大丈夫か?
 さっき思いきりぶつけてたけど」

 今痛んでいるこの頭の事らしい。

「たぶん大丈夫だよ。
 翠こそどうしたの?
 その顎」

「……おまえって石頭なんだな。
 おかげで痛くてしかたねぇよ」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ