短編小説

□触れられない温度
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騒ついた、
授業の合間の5分休み。
後ろの席の、声が気になる。

女の子と話す甘い声。
きっと僕には見せない顔で。

「ここの前髪、もう少し切ったら?」
なんて言われてる。

やめてよ、お願い、
涼介に触らないでよ。

白い肌にかかる、
柔らかい栗色の髪の毛を
ぼんやり思い出しながら、
僕の指で触れてる想像をしてみる。

振り返る事もできずに、
ただ時間が過ぎるのを待った。




ここ二週間、
学校では、あまり話したりしない。


甘くて、優しくて、涼介と絵になる、
そんな女の子との違いを、
思い知るだけだから。


「やっぱ、普段は仲良くないんだね」
そんな風に言われる事も増えた。


仲、悪くはないと思う。
ただ今は、素直になれない・・・。



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