長篇小説
□僕たちの長い夜
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知念はよく眠る。
休みの日なら、ずっと寝ていたいとさえ言う
でもこうしてそばにいると、ひどくその眠りが浅い事に気づく。
明日から仕事が何年かぶりの3連休。
深く、安心して眠らせてあげたい。
あの出来事の後、
「できるだけ俺の家に泊まってほしい」
と、知念に約束させた。
それが駄目なら俺が知念の家に泊まる、と。
俺が気づいてやれていたら、守ってやれていたら・・・
何度も押し寄せる激しい後悔と自分への憤り。
片時も知念から目を離したくない。
1人にしたくなかった。
「もう忘れた」
って知念は笑う。
それどころか、
「裕翔君、早く良くなると良いね」
って。
そう言った時は、思わず知念を抱きしめて泣いた。
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