長篇小説

□僕たちの長い夜
2ページ/18ページ



知念はよく眠る。

休みの日なら、ずっと寝ていたいとさえ言う

でもこうしてそばにいると、ひどくその眠りが浅い事に気づく。

明日から仕事が何年かぶりの3連休。
深く、安心して眠らせてあげたい。




あの出来事の後、

「できるだけ俺の家に泊まってほしい」

と、知念に約束させた。

それが駄目なら俺が知念の家に泊まる、と。

俺が気づいてやれていたら、守ってやれていたら・・・
何度も押し寄せる激しい後悔と自分への憤り。

片時も知念から目を離したくない。
1人にしたくなかった。



「もう忘れた」

って知念は笑う。

それどころか、

「裕翔君、早く良くなると良いね」

って。

そう言った時は、思わず知念を抱きしめて泣いた。



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ