長篇小説

□復讐
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枕に顔を押し付けて、声を殺して泣いている。

汗で濡れた髪の毛をそっと撫でると、パシンと手で払いのけて俺を睨みつけた。


最低なのはわかってる。


仲間のすぐ横で抱かれ、許してと懇願するのも聞かずに
何度も何度もイカされ、また嬲られる。

酷く残酷な事だと自覚しながら、サディスティックな気持ちを抑えられずに行為を繰り返した。

それでも翌日になると何事も無かったかのように、
腫らした目で普通に振る舞う知念が

痛々しくて目を背ける。


大切にしたいのに、嫉妬心が俺を狂わせる。

知念が優馬のベッドに入った、きっかけはあの夜からだ。


2つのベッド。
片方には俺、片方には知念と優馬。

2人が寝入る気配を感じるまで
俺は微動だに出来なかった。

そんな深い意味もないのはわかってる。
2人の間には何もない。

それなのに激しい嫉妬心がとめどなく溢れ出た。


その夜から、
知念に対して残酷な気持ちが芽生えたんだと思う。

ちょっとした事に、わけもなく苛立つ。

知念に・・・むしろ自分自身に。
嗜虐心が暴走する。

ロケやコンサートで泊まりになる度に、
無理矢理に知念を抱いた。



明けない夜のような
深い闇が
2人を包み込んで離さない。

どうして当たり前のように愛せないんだろう。


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