長篇小説
□君にしか見せられない顔がある
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いつも平静を装う知念。
でもずっと見てると本当にいろんな表情を見せてくれる。
文句を言いながらも本当は喜んでる時、
すねたり、怒ったり、本当は泣きたい時、
くしゃっと笑った知念の顔を見ると、つい頭をわしゃわしゃってしたくなる。
俺は知念といると、安心する。
逆に知念がいないと、すごく会いたくなる。
弟でもないし、友達でもない
こんな感情は何なんだろう。
自分の一部みたいな、存在なのかな。
俺だけの、そばにいてほしいとか・・・
彼女でもないのに、束縛してる気持ちに気づく。
愛おしいという感情。
大切にしたくて、誰にも触れさせたくなくて
笑顔にしたくて、
俺を、
好きでいてほしくて。
結構必死な自分がいる。
やっぱり、好きなんだよな・・・
恋・・・というよりももっと熱くて、深い想い。
家で一人でいても、夜眠る時も、いつもいつも
ふと気づくと知念の事を考えてしまう。
あいつはすごく優しい子だし、きっとこんな事を知ったら困るだろうな。
傷つけたくないし、
苦しめたくないから、きっとこれからも俺は言えない。
知念が好きだよ・・・。
なんて。
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