散文

□キス
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ふいに、触れた唇の熱に目を開けられなかった。

涼介が僕の部屋に泊まった日。

真夜中に触れた唇。
そっと優しく、重なっただけのキス。

目を開けられず、寝たふりした。

なんでキスしたの?と訊けないまま、また今日も一緒に寝るのはきっと期待してるから。

寝たふりして、その時を待つ

今度こそ目を開けて、そして訊くんだ。

ねえ、
なんでキスしたの?


何度もリップクリームを塗った唇に、自分でそっと触れてみる。

涼介はまた触れてくれるだろうか。

もし二度とチャンスが来ないなら、その時は僕が眠ってる涼介の唇にキスしよう。

そして涼介も訊いて欲しい

ナンデ キスシタノ?


そして僕は答える。



僕、涼介の事が・・・






2012.8.14

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