散文
□ピース
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「足りなくなる」と、知念は珍しく人前なのに俺に甘えて、背中にくっついて来た。
「ずっとじゃないだろ」
「知ってるけど」
「変なやつ」
そばにいる時、何も会話がなくても全然平気な2人なのに、
会えないと何か足りない気がする。
「空がつながってるから吸う空気は一緒なんだろ?」
「そうだけど」
お互いが自分の足りないピース。
いつも無意識にその存在を探してしまう。
「いっそ携帯みたいにカバンに入れて、常に持ち運べたらいいのにな」って言ったら「頑張ったら入るかもね」と知念は笑った。
2012.7.28