短編小説
□素直じゃない僕とネックレス
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どっちにしようかなぁ
海外ロケも終って今日の便で帰るから、自分へのお土産に買っちゃおうかなって見てたネックレス。
黙って悩んでたら
「こっちのほうが可愛くねぇ?」
と、涼介が背後からひょこっと顔を出して指差した。
すごく繊細なチェーンにシンプルなヘッドのネックレス。
「ふーん、じゃこっちにしよっと」
アマノジャクな僕はつい、もう一方のネックレスを手に取った。
「お前な」
涼介が頭をポンと小突く。
あーでも、やっぱあっちにすれば良かったかも。
なんて内心思いながら会計をして店を出た。
アクセサリーなんて昔はあんまり興味無かったけど、涼介がしてるのを見たら、セクシーで、かっこ良くて、なんだか大人びて見えて、
僕もちょっと背伸びして、着けるようになった。
外したり、着けたりするのちょっと面倒くさいなぁって、正直時々思う事もあるけど、着けてるとすぐに涼介が目ざとく気づいて
「おっそれ可愛いじゃん」とか褒めてくれるから、嬉しくなっちゃうんだよね。
まぁ、照れるからだいたい無視しちゃうけど。
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