短編小説
□まだ言わないけど愛してる
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だいたい知念は俺の左側、
ちょっとだけ後ろを歩く。
肩が触れるくらい。
あいつはボソボソ話すから、そのくらいの距離がちょうどいい。
だけどここ3日、お互い仕事が入ってて会えてない。
<3日会わないなんてめずらしいな>
ってメールしたら
<ま、たまにはいいんじゃない?>
ってそっけない返事。
なんだよ、お前は寂しくないのかよ!
いつも甘えて来るくせに・・・
とか思いながら、
普段より携帯のチェックの頻度が激しい俺を
裕翔君がニヤニヤしながら見ていた。
くそ。
「知念からメール来ないの?」
「うっせー来てるわ」
そう言いつつも・・・
今日まだ来てない。
なんかまた俺から送ったら
負けた気がする・・・
なんか俺ばっかり好きなのかな
好きとか言って来るけど、やっぱ本気なわけないか
あいつだって男の子だしな
はぁ・・・
なんだ俺。
なんでこんなにあいつの事ばっか考えてんだ
知念のバカやろ・・・
左肩あたりが、さみしい。
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