長篇小説
□君に嘘をついた
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「だめに決まってるだろ・・・」
促すように涼介は、優しく僕を拒む。
わかってるよ。だけど・・・
それなら嫌いって、
好きになるわけないだろって・・・ハッキリ言ってよ。
「ごめん涼介。もう言わない・・・」
僕は多分自分の事、涼介の「特別」だと思ってた。
他の子とは扱いが違うし、僕に対しては本当に本当に優しい。
触れる時も話す声も、
いつも、いつだって。
僕が甘えると嬉しそうだし、涼介も僕の事・・・好きなのかな?
なんて、さすがにちょっと期待しすぎちゃってたよね。
「僕と、つきあえる?」
核心に触れようとしたら、軽く拒絶されちゃった。
そっかあ・・・
そりゃそうだよね。
弟とか・・・家族みたいな感じ、だったのかな
涼介にとっての僕は。
それでも良い。
それでも良いけど・・・やっぱり現実を突きつけられちゃうと苦しいね。
ねえ涼介
僕はいつか、涼介以外の人を好きになれるのかな。
ずっと涼介の事が好きだった。
恋なんて・・・なくても生きて行けるけど、そばにいたら忘れられないよ。
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