長篇小説
□僕たちの失敗
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一番乗り。
そう思ったらすでに控え室には涼介がいた。
ソファに寝てる無防備な顔。天使みたいに綺麗。
静かに近づくと、
小さく寝息をたててる。
長い睫毛。
ふっくらした、僕の好きな頬。
少し開いた唇を、
そっと指でなぞった。
少ししっとりした、形のいい唇は、薄くて柔らかい。
ドク、ドク、と胸が弾けるように高鳴って、
僕は思わずその唇に、そっとキスをした。
”カシャッ”
不吉な音が、空気を揺らし、僕は慌てて振り返った。
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