短編小説
□素直じゃない僕とネックレス
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帰国してからも、なかなか涼介の前ではつけられなくて、会うたびに涼介が必ず胸元をチェックしてるのも気づいてるけど、涼介がいない時ばかり着けてたりする。
自分でもわかってる。
本当に僕って素直じゃない。
繊細なネックレス。
ヘッドもシンプルだけど可愛くて、すごく気に入ってるんだけどな。
涼介に似合うって言われたし。
隣にいる涼介にもたれながらそんな事を思ってたら
「最近よくつけてるネックレス今日はつけてないね」
なんて、向かいに座った圭人が余計な事を言う。
「別によくつけてないし」
慌てて誤摩化した言葉がだめだった。
「え、最近よくつけてんじゃん。チェーンのとこがすごい細くて・・・」
「あーもう!いいの」
机に突っ伏した。
・・・あー圭人、多分オロオロしてるだろうな。ごめんね。
「へー、どんなやつかなあ。着けてるとこ見たいな」
涼介に耳元で囁かれて、
僕がしばらく顔をあげられなかったのは・・・言うまでもないよね。
「素直じゃない僕とネックレス」おわり
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