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□酔い醒ましのキス
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「くそウサギめ……」
ムカつく、ムカつく、ムカつく!!!
顔を般若のようにして見つめる先には私の彼氏、バーナビー。
通称バニー。
そして、バニーちゃんの隣にいるのは、綺麗な綺麗なお姉さん。
何よ、腕なんか組んじゃって!
私なんか、手すら繋いだことないのに!
「こんな街中で堂々と浮気なんて、いい度胸じゃない。あのバカウサギ。自分がハンサムで人気ヒーローでモテるからって調子にのって!」
街中でこんなこと叫ぶ私は、周りから見たらかなり痛い人だ。
初めてバニーちゃんと出会ったのは、ある事件のとき。
強盗犯に人質として捕まえられた私は、倉庫のようなところに閉じ込められた。
そこに助けに来てくれたのがバニーちゃんだ。
正直、一目惚れだった。
そりゃあ、あんなハンサムに助けられて、優しい声かけられて微笑まれたらノックアウトされちゃうよ。
その後日、私の親戚の虎徹さん繋がりで何度か顔をあわせた。
バニーちゃんと話していると安心して、温かくて、会うたびに好きなっていった。
そしてある日の夜、夜景の見えるレストランでディナーを食べているときにバニーちゃんに告白された。
私は高校生で、結構年齢も離れているのに、バニーちゃんはそんなの気にしてない、と言ってくれて、本当に嬉しかった。
そしてその日から半年経った今、この有り様だ。