小説
□猫のお兄さん※
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何かに包まれるような感覚で僕は目を覚ました
瞼を擦り辺りを見回す。
見たことの無い景色…どうやら拾ってくれた主人の家のようです
起きたのが分かったのか落ち着き無く辺りを見回して鳴いていた僕に話し掛けてきた
「起きたのかい?今、君の名前を考えていたんだ」
主人は僕を抱き上げて笑いながら話す
僕の…名前…?
初めて名前をもらえるんだと思うと嬉しくて僕は主人の頬を舐めた
「うわっ、くすぐったいなぁ」
そう言いながら笑っていた
誰かを舐めるのは初めてでよくは分からなかったけど喜んでくれているみたい。
「嬉しいか!…うーん、何が良いと思う?あ、類は何が良いと思う?」
類…?
聞いたことのない名前だ
主人の言っていた仲間だろうか…
そう言って主人が振り返ると白い毛並みの猫が居た
…なんだろうこの感じ
初めての感覚だ…、なんか胸が締め付けられるような感じがします。
僕がまだ名前の分からない感情で白猫を見ていると
「あぁ…紹介するね、この子が君の仲間だよ名前は類って言うんだ、まぁ君にとってはお兄さんかな?」
「お兄さん…」
僕…初めての事がありすぎて頭が混乱してます。
「ほら類、挨拶して」
「………」
主人がそう言ったが何も言葉が来なかった
…睨んでる?
そんな事を思いながら見つめていると
「……よろしく」
良かった…嫌われてないみたい