小説
□猫のお兄さん※
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僕は名もない子猫です…
名前もつけてもらえないうちに捨てられました…。
ダンボールの中で丸まっている毎日です。
今日も僕を拾ってくれる人はあらわれないのかなと思っていた…そんな時、1人の男性が歩いてきた…
「…子猫じゃないか、こんなに小さいのに捨てられて可哀相に…」
そんな事を言いながら僕の体を抱き上げる
こんな温かい体温を感じたのはいつぶりだろう…。
そんな事を考えていたらその男性は救いの手を差し伸べるように言ってきた
「あ、俺の家においでよ君の仲間も居るから丁度いいよ」
こんな僕を拾ってくれるの…?
嬉しいなぁ…。
「にゃ〜…」
俺は男性の言葉に答えるように精一杯の声で鳴いた
「よし、帰ろう」
男性は僕の言葉が分かったように微笑んで両腕で包み込むように抱きなおして歩きだした。
あぁ…やっと拾ってもらえる、愛してもらえるんだと思った安心と体が揺れる感覚に気持ち良くなってゆっくりと瞼が閉じて意識が飛んだ…。