‡小説‡

□Talking
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「ニア、外で遊ぼうよ」

いつ私が誘っても、彼はつれない返事ばかり。


「私はいいです」


ああ、やっぱり今日もダメ。
こうも毎日同じ返事ばかり聞かされると、正直ちょっとがっかりする。
周りのみんなも、ニアなんかほっとけよって言うけど。
でも、そんなわけにはいかないよ。
ニアだって、ワイミーズハウスの仲間だもんね。


だから私は、外で遊び終わるとニアの所へ行く。
そして、色んなことを話すのだ。
何の遊びをして、誰がどんなことをした、とか。
外で遊ぶのがこんなに楽しいんだって分かったら、ニアも外へ出てみたくなるかもしれないでしょ?
ずっと家の中じゃ体に悪そうだし。
余計なお世話って言われれば、それまでだけど。


でも、ニアはいつも私の話を聞いてくれた。
相槌を打つでもなく、かといって遮ることもなく、ただ黙ってパズルを嵌めながら聞いていた。

今日もそうなると思ったんだ、夕方までは。


* * *


もうすっかり陽が西へ傾いた頃。

ニアが、大広間の窓から中庭で遊んでいる私達を眺めているのを見て、私は思わず走り出した。


こんなこと、初めてだ。
ニアも外で遊びたくなったのかな…。


息を切らして急いで大広間へ行くと、彼はまだ窓辺に立っていた。
息を整えた私が話しかけるより先に、ニアが口を開いた。

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