冗談
□一つ屋根の下〜外伝〜
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「え〜、まだ帰ってないのかなぁ」
ウロウロする二人。
そこへ通りかかった釣り竿を抱えたマット。どうやら、メロと釣りに行って帰ってきたところらしい。
「ほら、朝から釣りに行ってたマットだってもう帰ってるぞ」
「何?どしたの?」
「竜崎さんが13巻買いに行ったまま戻んないの〜」
ん?とマットは首を傾げて二人を見る。
「13巻って、ワタリさんに取り寄せ命令して、昨日届いたって聞いたけど」
ドカドカ!ガッシャーン!!!
↑竜崎の部屋の扉が無理矢理開けられた音
荒々しく踏み込んだ月&ミサの目に映ったのは、特等席に腰掛けてかじるように"分厚い単行本"を読む竜崎の姿。
それは、侵入者の存在に気付くと、目を丸くして固まった。
「竜崎、お帰り」
「何読んでるの?」
「…これは、…"ヤミの将棋"です」
「嘘。絵が似てるけど違うよそれ。見せて」
「……………」
「竜崎……見せろ」
「嫌です」
言った。
こいつ、はっきりと言った。
「やっぱり!13巻じゃん!」
「竜崎、お前昨日から隠してたな!?」
「…ばれましたか」
「ひどくない?ミサ達だって楽しみにしてたのに!」
早速ページをめくる二人。
ハラリ、と何かが落ちた。
「ん?何だこれ、カード?」
……………。