冗談

□一つ屋根の下〜外伝〜
1ページ/5ページ

「え〜、まだ帰ってないのかなぁ」


ウロウロする二人。
そこへ通りかかった釣り竿を抱えたマット。どうやら、メロと釣りに行って帰ってきたところらしい。

「ほら、朝から釣りに行ってたマットだってもう帰ってるぞ」

「何?どしたの?」

「竜崎さんが13巻買いに行ったまま戻んないの〜」


ん?とマットは首を傾げて二人を見る。

「13巻って、ワタリさんに取り寄せ命令して、昨日届いたって聞いたけど」







ドカドカ!ガッシャーン!!!
↑竜崎の部屋の扉が無理矢理開けられた音



荒々しく踏み込んだ月&ミサの目に映ったのは、特等席に腰掛けてかじるように"分厚い単行本"を読む竜崎の姿。


それは、侵入者の存在に気付くと、目を丸くして固まった。



「竜崎、お帰り」

「何読んでるの?」

「…これは、…"ヤミの将棋"です」

「嘘。絵が似てるけど違うよそれ。見せて」

「……………」



「竜崎……見せろ」

「嫌です」


言った。
こいつ、はっきりと言った。





「やっぱり!13巻じゃん!」

「竜崎、お前昨日から隠してたな!?」


「…ばれましたか」

「ひどくない?ミサ達だって楽しみにしてたのに!」


早速ページをめくる二人。

ハラリ、と何かが落ちた。

「ん?何だこれ、カード?」


……………。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ