冗談
□一つ屋根の下C
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episode2
竜崎:役職「L」で勝利してクリア。
「名誉挽回のチャンスですね」
のそり、と椅子から立ち上がり、竜崎はライトを押し退けた。
「さあさあ、退いてくださいライト君…逮捕してあげますからね(にやり)」
「〜だから、ライトがキラだとは限らないって」
「キラじゃなくても、とりあえずライト君を検挙します」
「おい!!」
抗議の声を上げ、DSに手を伸ばしたライトだったが、竜崎は背を向け、防御の体勢を取る。
「ライト君の疑惑度を二つも上げちゃったりして」
「く、くそっこいつ…お茶目さんぶって」
竜崎:ライト君がキラだと考えれば全ての説明がつきます。
「そうそう、さすが私、いいことを言います」
しかし…。
ワタリ:それは違うのではないかと…!
「わ、ワタリ!!」
「竜崎さん、対抗、対抗!」
竜崎:私の中ではつじつまが合いません!
ワタリ:複数の人間の疑惑度を下げる行動を取っていました!
「ま、まだ食い下がりますか…これでは喧嘩です」
竜崎:考えを変えるつもりはありません!
ワタリ:しかし…!
「ああ…もう発言力がありません…」
ワタリ、対抗発言に勝利!
ライトの疑惑度が下がった。
本日二回目のドズガビーン!!!
「まさかライト君がキラでワタリが崇拝者とか言う落ちでしょうか…」
「そんな単純だといいけどね」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
窓の外に夕焼けの色が見え始める頃、リビングで遊んでいたニアに、ワタリが声をかけた。
「豆腐が切れてしもたで買ってきてくれん?」
「嫌です。それよりグレープフルーツジュースのお代わりをお願いします」
途端、ワタリは額に汗を浮かべて反論してきた。
「その発言にはいささか問題が…」
カチンと来たらしく、ニアも口を尖らせて対抗する。
「私にはそうは思えません!」
「どうも何かひっかかります!」
「何度も言わせないでください!」
「しかしその考えでは…!」
「……ッ」
なんと頑固なのだろう。
拳を握り締め、キッチンに仁王立つ老人の鬼気迫る様を見て、ニアは何となく反論できなくなった。
ワタリ、対抗発言に勝利!
「では、初めてのお使いに行ってくるのでお金を下さい」
すると、ワタリは知らん顔をして背を向けてしまった。
「…竜崎に貰って」
ただ一言だけそう言って。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「よし、また一つ林檎を獲得したぞ!」
「ライトすごーい」
「ニアが使用可能になりましたね」
ガチャッ!!
「私ですが何か?」
「ニア…はい、今あなたが使用可能になりました」
「おめでとうございます、お金を下さい」
「!?」
一同、目が点。