本気
□Unplayable Game
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真相が明かされて数時間後、パソコン越しの声が私を呼んだ。
「ニ…L」
「はい、何ですか"ロジャー"」
「……;
その、何か分かりましたか?」
「メロはなかなか文才があったようです」
「いや、そういう事ではなく……
初代Lについて、いろいろ書いてあったのでは?」
「それは…」
首を傾けて少し考える。
視線を天井に彷徨わせたあと、私は答えた。
「守秘義務です」
「!……」
ロジャー、返答に窮する。
笑いがこみあげて止まらないので通信を切ってしまった。
そのまま、何枚目かの板チョコを一かじり。
Lによってメロに伝えられ、メロによって私に伝えられた物語はここで終わりだ。
私は誰にも語らないし、文書として遺す事もしない。
私が継ぐのは。
私がLとして引き継ぐものは、
Lの名の下にある正義。
そして、ブロックが正確に並んだような、板チョコレートの、少しばかりの助力。
私に遺され、同時に私が遺すべき全てだ。
これらを放棄することは、言うなればUnplayable Game。
ああ、何というか。
自分で言っておきながらこの上なく、
ナンセンスだ。
fin(あとがき→)