本気
□Unplayable Game
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自分なら…と。
指先でページを繰りながら私は思う。
こんなものは遺すまい。
Lのことも、メロのことも、―――キラのことも。
全て墓穴まで持っていく。
例え何らかの形で文書を書き残すことがあったとしても、それは私文書ではなく、あくまで世間を納得させるための公式文書としてのもの。
メロの言葉を応用すれば、それは「現在Lである私以外の誰でもない者」から、「世界でしかありえない場所」に向けてのノート。
それが、結果的に私たちの選んだ道の違いだとも言えるかもしれない。
ページを捲っていくと、南空ナオミという女性についての詳しい描写が現れた。
どうやら重要人物であるらしい。
キラ事件の当初に行方不明になっていたと記憶しているが…
読み飛ばすことにした。
目で追うだけでも話は頭に入ってくる。
身じろぎもせず、ただ瞳だけを右から左へ走らせた。
…つもりだったが。