本気
□Unplayable Game
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気付けば私は、床の上で俗に言う、たれぱんだ状態となっていた。
どうやら頭が推理モードに突入し、体まで意識が回らなくなっていたらしい。
物語は複雑な展開を迎えている。
次から次に現れる暗号。
口が寂しい、甘いものが食べたい。
のろのろと体を起こし、傍らのラジコンを操作する。
お気に入りの青いグライダーが、板チョコ一枚を搭載して飛んできた。
なかなか使える。
もっと大量に積めるよう改良してみたいものだ。
チョコを片手にそこまで考えて、私はまたノートへと思考を戻す。
さて、どうなるか…。
日が暮れてきたようだ。
暗度を察知した室内灯が点き、私は僅かに現実に引き戻される。
既にこの時、私の脳内は、他のものが入り込む余地もない程の怒りで埋め尽くされていた。
この男…
ビヨンド・バースディ。
自分の才能に驕り、本来の目的を見失う…
嫌いなタイプの人間だ。
テスト段階ゆえの不安。
理不尽に約束された未来への嫌悪。
正直、そんなものは言い訳として通じないし、私には納得できない。
例えばそれを。
個人のやむにやまれぬ悲事情として、思いやる様な気持ちが私にあれば、万年二番のメロにそれこそ同情の一つもしただろうが―――。