悪夢
□10の衝撃
1ページ/4ページ
ここはワイミーズハウス。
ご存じ優秀な子供たちが集められている養護施設だ。
##NAME1##は、保育士の一人として、日々子供たちの面倒を見て暮らしていた。
ロジャーと共に、今日も子供たちの部屋を回る。
「メロにおやつ取られた〜」
泣きながらしがみついてくる子供を見て、##NAME1##とロジャーは顔を見合わせた。
まただ。また、メロ。
「こぉらメロっ。どこにいるの?出てきなさーい!」
自慢の声で##NAME1##が吠えると、不貞腐れたような顔で、メロが姿を現した。
手には、食べかけのチョコレート。
「また、あんたは!!」
腰に手を当てて怖い顔を作ってやる。
「何だよ、先生は黙ってろよ」
メロに反省の色なし。
彼にしてみれば、ほんの少し(と言ってもその差は結構なものだが)年上なだけの##NAME1##に、先生面されるのが気に入らないのだろう。
勿論、##NAME1##には承知の事実だ。
こういう天の邪鬼坊主にどう接すればいいか、ちゃんと心得ている。
「チョコを取ったこと、謝りなさいよ」
「なんで僕が!ふん!」
「あれぇ?悪いことをしたら素直に謝るものだって、知らないの?」
「知らない。悪いことなんかしてないね」
「えぇ〜嘘〜皆知ってるよ?メロだけ知らないんだ?」
「!!…違う、今の嘘」
「あーっ、メロ嘘ついた!嘘ついた子はどうなるんだっけ?」
「死神に心臓取られる〜」
愉快そうに横から口を挟んだのは、マットだ。
メロは顔を真っ赤にして首を振る。
「違う違う!死神なんかいないんだからな、先生こそ嘘つきだろ!!」
その様子に、##NAME1##は自分が子供を手玉に取っていると感じられ、非常に満たされた。
これまさに天職。
##NAME1##の行く手を阻むものなど、何もないかに思えた。
そんなある日。
朝食の席に遅れてきた子供がいた。
髪も肌も、衣服でさえも真っ白なその子供は、きゅっと口を引き結んで後ろの入り口から入ってくると、無言のまま席に着いた。
##NAME1##の出番だ。