プリキュア

□節分
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「コロン、用意ができたわ」

「それじゃあ…」




「「頂きます」」





同じ方向を向き、両手で恵方巻きを持った
同じポーズでコロンとゆりは黙々と食べて行く。
背筋をピンと伸ばし目を閉じて恵方巻きを食べていく一人と一匹。
何かを願っているのか…




「…ごちそうさま」

「…僕も、ごちそうさま」




しっかりと飲み込んで向き直るように座り
直してから一人と一匹は手を合わす。




「ゆりは何をお願いしたんだい?」

「私は…今年も砂漠の使徒から皆と、それからコロンを
守れますようにって…」

「あはは、実にゆりらしい願いだね」

「そういう、コロンは何を願ったの?」

「僕も、ゆりやその友達、コッペ様やキュアフラワーが
今年も無事に過ごせますようにってね」




似ているのかな、とコロンが笑えば
そうかもしれないわね、とゆりも笑う。




「豆も撒いて恵方巻きも食べたし、母さんの分も用意してるし、
今年も健康にいられるわね」

「僕はよくは知らないけど、ゆりがそれをしたのはちゃんと僕は見たよ」


あ、そうだとゆりは何かを思い出し立ち上がる。
戻って来たゆりからテーブルに置かれたのは豆が入った升。
コロンは「次は何をするんだい?」と頭に?を出しながら尋ねた


「歳の数だけ豆を食べるのよ」

「へぇ…そうなんだ」


そう言って、コロンが頷くとゆりはテーブルの真ん中に木箱を置いて
互いに自分の歳の数だけ豆を一粒、一粒と取っていった。
去年よりまた一粒多く取らなければならないのだけが悲しい。
豆を取っていきながらゆりがコロンに話しかけた。



「コロンがその体だからすぐに忘れてしまうけれど…」

「ん、どうかしたのゆり?」

「コロンって、私よりだいぶ年上なのよね」

「そうだね……ゆりの二倍以上は生きてるとは思うよ」

「何故かしら…変な気分になるわ……」




そんな会話をしつつ二人は豆を食べるのだった。

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