アイドルマスター

□梅雨のとある日
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「雨すごいなぁ・・・・・・」


土砂降りの雨が目の前で降り続いている。
傘を家に置きっぱなしにしてしまったために
昇降口でぽつんと雨がやむのを待っているのだが
全然止む気配はない。
もうほとんどの生徒は下校してしまい、
運動部は雨だからということで部活を早めに
終わらせてるところも少なくない。
一人で待つのは暇で暇で、仕方がない。
こんなことなら、部室の備品整備で
残ってるんじゃなかったと少し後悔をする。


「んー・・・・・・暇だな〜」


あれから何十分か時間はたっているが雨のやむ気配はしない。
逆にどんどん強くなっている。
腕時計を見ると、もう17時すぎを指している。
もう、雨がやむのを待って30分は経過している。


「もう、いっそのことだからびちょびちょに濡れてでも帰ろうかなぁ・・・」


「…おい」


「え?」


少しでも濡れないようにと頭の上にジャージを乗っけてる最中、
いきなり目の前に傘がつきだされる。
つい疑問の声が漏れる。


「えっと・・・同じクラスの…」

「濡れて帰るくらいなら、傘、貸してやるよ」

「え、ちょ・・・・・・君はどうするの?」

「別に、家は学校から近い・・・・・・
明日返してくれればいい」


そう言うとクラスメイトの男子は中で用事があるから、
と傘を押し付けて階段をあがって行ってしまった。
貸してくれた本人は家が近いと言ってたが
流石に何とも言えない気持ちになった。
だからといって、ここに傘を置いていくのも失礼だと思う。
少女は傘を開き、強い雨が降っている中を歩いた。
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