アイドルマスター

□おめでとうま〜
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「冬馬、ここらへんで良い?」


「ん、いや、もうちょい下、肩甲骨辺り」


「ここらへんか?」


「あー…そうそう」


ぐっ、ぐっ、と、響は細い腕と
指で俺の背中を指圧してくれた。
まだ覚束ない感じはあったが、
響の力加減は絶妙で気持ちよかった。

俺は仕事のあとに、響の家に寄った。
数日前に響から言われた約束で
本当なら断るつもりだったが、
俺達3人で出るはずだった番組は
何故か俺だけがゲストで除かれていて、
代わりに何故か765プロが
菊地真がサプライズゲストという形で組まれてしまっていた。
明日も久しぶりのOFFで家の方も今日は誰もいないということなので、
今日は泊まるつもりでここに来た、
ご飯を食べ、ゆっくり風呂に浸かったあとで、
リビングに戻りねこ吉やうさ江とじゃれ合ってのんびりしていたら、
突然、響がマッサージを申し出てきた。


急にどうしたのかと不思議に思いながらも、
最近忙しくてまともなストレッチをしてないこともあり、
その申し出をありがたく受けとることにした。


「ありがとな、響、久しぶりにまともなマッサージを受けたからコリも大分解れたぜ」


「えへへ、前に冬馬が教えてくれたマッサージを真似しただけさ、
たまにユニットの仲間にもしてるんだけどさ、やっぱり、勝手が違うね」


「だな、男と女だと体の構造が全く別もんだしな、仕方がない」


俺が苦笑すると、マッサージしていた響の指が急にピタッと止まった。


「それでも自分、分かるよ、冬馬かなり疲れ溜まっているってことがさ」


「響……?」


「自分も仕事が増えて、冬馬達が一番忙しいのはわかるけどさ、
自分の体にはもっと気を使ったほうが良いぞ?」


「心配してくれるのは素直に感謝する、
けどな、今が一番の売れ時なんだって思うんだよ、
だから、俺はいいかげんにする気はないぜ」


「わかってるさ、自分もその気持ちは分かるから
冬馬のやってる事には口は挟まないよ……
まぁ、今日は久しぶりの休みが取れたんだし、
今日と明日はゆっくり体を休ましときなよ」


苦笑いしながら、それでもどこか心配しているを訴えている
ラグの上でうつ伏せになる俺の腰から跨る響が言う。
いつも、そういうことは気にしなくていい、
と俺はあいつに言うのに、響は
何でもかんでも気にするから困る。
別に、アイツが俺を心配してくれる分には
俺も正直なとこ、とても嬉しく思っている。
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