アイドルマスター

□1日の終わりの楽しみ方
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俺には一日の終わりに楽しみがある。
それは風呂上がりの恋人を見ることだ。
傍から聞くと如何わしく聞こえるかもしれねえが、
決していやらしい目的はねぇぞ!!

「お風呂上がったぞ〜、冬馬」

「あぁ、わかった。」

濡れた髪の毛をタオルで拭きながらリビングへとやって来る響。
読んでいたファッション雑誌を閉じてソファで寝転んでた冬馬は自然と
牛乳を飲んでる響に目が行った。

その冬馬の視線に気づいた響は口元の牛乳をタオルで拭ってから尋ねた。
「ん?冬馬、どうかしたか?自分の顔じっと見つめて、何か自分の顔についてるのか?」

「いや、そうじゃねぇけど」

響の問いに冬馬は否定する。
彼の一日の終わりの楽しみの一つ
それは恋人の髪をおろした姿を見ることが出来るというものだった。
そう説明すると、家では風呂上りはいつも梳いでるから珍しいことでもないけどな…と本人は至って無自覚。

「俺だけの特権かなって、思ってな」

「そうか?確かに冬馬も今はそうだけどさ、その特権自分のペット達は前から持ってるからなぁ、ハム蔵?」


そう言うと、響の髪がもごもごと動き始めて、そこから元気良く現れた

「キュッキュキュ!!」
「あはは!冬馬、ハム蔵も自分と同じ意見だってさ!」

その会話を聞いて、冬馬は
サラリと腰まである黒い髪を指でそっと
持ち上げてキスを落とす。

「え、あっ、冬馬////」

「こんな表情の我那覇を見れるのは俺の特権みたいだな♪」



その冬馬の仕草に響は顔を真っ赤に染まっていた。
あぁ、でも確かに…男の人の前では沖縄を離れて以来極力髪の毛を
おろしたところをみせてないなと響は
ようやく気付いた。

「タオル貸しな、髪、俺が拭いてやるよ」

「ふん、冬馬だって、真っ赤な顔を自分に隠したいだけの癖にさ」

「っ!? う、うっせぇ! 人の善意は素直に受け取れ!!」

「うぎゃああ!? 冬馬!!そんなに乱暴に乙女の髪を拭くなぁ!!」

こんなじゃれ合いも含めて、冬馬にとっては楽しみの一つであるのだ。

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