詰め合わせ3

□右足4拍
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食堂で悩み事をする彼女の背中。
頬杖をついて少し前かがみになるその姿は最近ではよく目にする。
マグカップに伸ばされた腕が、その軽さに中身の少なさに気付く。
大人しかった足が床を叩く。
タンタンタンタン、と4拍鳴ったと同時に彼女は思い切り立ち上がった。
ガタンという椅子の音にとうとうマルコが吹き出す。


「お前はホント、サッチに似たねい」


クツクツと笑いながら言われた言葉に彼女は眉根を寄せる。
何を言いたいのかは、はてさてさっぱりわからない。


「なんのことですか?マルコ隊長」


不機嫌なのかむっつりとした顔での問いかけに、彼は震える肩に力を入れながら口を開く。
しかし声は少しばかり震えている。


「考えごとしてるサッチも床を叩くんだよい、それもお前と同んなじ4拍」


その言葉に目を見開く。
確かに普段サッチと一緒にいるが、そんな癖は知らなかった。
ついでに言えば自分が床を鳴らしていたことだって気づいていなかった。


「……いつから気づいてたんですか?」
「ん?だいぶ前からだねい」


その返事に言わないでくださいね、と告げた彼女。
しかし赤くなった耳は隠せていなかった。


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