詰め合わせ3

□お仕置き一人部隊
1ページ/1ページ


ガキ大将として名高いのは爆豪だが取り巻きの少年2人を除いても実はもれなくもう1人大人が手を焼く子がいた。
彼女は目立つような派手な個性ではないが、まるで未来を知っているようにちょこまかと人の死角を縫って進むようなお転婆娘だ。


「おい、あっちに行ったぞ!!」


後ろから聞こえる声に笑い声をこらえる。
スタミナならば彼らの方が上かもしれないが、残念ながらこちらには強い味方がいた。
さわさわと吹く風はいつも彼女を導く。


「風さん、どうやったら逃げられるかな?」
『そうね。この先の角を左に曲がれば使ってない倉庫があるわ』


その言葉に礼を告げて全力疾走して倉庫に飛び込む。
ドアの向こう側を走り抜ける彼らの声を聴きながら、さて次の悪戯の仕掛け先はと思案する。
彼らと違い、群れてなにかをするつもりは無い。
イジメは嫌いだったし、ちょっかいをかけるのはあくまで自分が楽しむためだ。


「次は、そうだ。上靴にいたずらしたら面白そう!」


お手製の地図を広げながら次の仕掛け場所を決める。
仕掛ける相手は決まっていないが、希望とすればあのガキ大将の爆豪だ。
彼のそそり立つプライドを折るためにもこの作戦に失敗は許されない。
地図に書き込みをしながら細かい作戦を練る。
用意していた簡単ないたずら道具にひと仕掛け加えれば驚きも増すだろう。
準備を進め、またもコッソリ仕掛け、引っかかるのを待つのは楽しいものだ。
シナリオ通りに引っかかったターゲットをケラケラと笑い、今日も追いかけっこはスタートだ。


.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ