詰め合わせ3

□はなまるください!
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バタバタと走り回るその姿。
刀剣男士とは違う、柔らかくてもろい存在の彼女。
それを止めるのはいつだって歌仙の仕事だ。


「走るんじゃない!!」


怒号が飛ぶが、いつものことだ。
そして捕まえられるまでがワンセットでもある。


「うわわ!……捕まったァ」


むすくれるその顔に歌仙はため息をこぼす。
主のことは初期刀である彼が一番知っているが、お転婆に拍車がかかったのはここ最近のこと。
急に出てきた悪癖にため息は止まることを知らない。


「離してよ〜」
「離すと思うかい?毎日毎日、君も飽きないね」


嫌味臭くそう言えば、ピタリと彼女は抵抗をやめた。
少し言いすぎただろうかと、不安に思う歌仙。
足を止めて彼女の俯いた顔をのぞき込む。
しかしそこにあった顔は満面の笑みだった。


「飽きるわけないでしょ。歌仙、こうでもしないと私に構ってくれないんだもん」


ちゅっと自分よりも下にある歌仙の額にキスをすれば、固まったのは歌仙の方。
そのうちにその手の中から逃げ出す。
後ろからは怒号も追いかけてくる足音もなく、ただ顔を真っ赤にした彼が情けなく座り込んでいた。


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