詰め合わせ3

□あったかい場所
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引き摺るようにしてようやく帰ってきた我が家。
鍵は開けなくても、ノブを回すだけで充分だ。
今日もすでに、彼は当たり前のようにいる。


「おー、おかえり!」


ニート代表のおそ松がいない日なんて、そうとうな理由でないとありえない。
部屋に立ち込めるタバコの煙にはもう慣れてしまった。


「換気してって、言ったじゃん」


疲れが滲む声で呟き、テキトーに靴を脱ぐ。
バッグは玄関に置き捨てて、邪魔な上着はハンガーにかけた。


「ごはん、食べてく?」
「いや、もーそろそろ帰るわ」


まるで帰ってくるのを待っていただけだと言わんばかりのそれ。
肩の荷を降ろすように吐き出した息とそれに紛れる言葉。


「そう、わかった」


いつもと変わりないつもりだが、おそ松にとっては違和感があったようだ。
駆け寄ってきて、タバコ臭いパーカーで抱きしめる。
圧迫感と暖かさがじわりと疲弊した体に染みていく。


「オレ、もうちょっといようか?なんか飲む?」


その言葉に首を振って断る。
いつも通りのおそ松がこうしてくれるだけで充分だった。


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