AKB小説

□嫉妬
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「おはようございマス♪」

今日はすこぶる気分がいい。

理由はわかりきってる。
今日は敦子と2人でトーク番組に出演だから。


がちゃ

楽屋のドアをあけると

「あ〜たかみなぁ〜おはよ」

くしゃっとした笑顔をみせながら敦子があたしに声をかけてくれた。

・・・・・・・朝から可愛いすぎマスよ///

思わず顔がにやける。



「おは・・・・・・あれ?」


そんな敦子の横には


「おお!たかみなじゃん」


にこにこしてる佐江がいた。



「でさ・・・・・・・なの!」

「まじで??今度見せてよ〜」

せっかく2人での収録だと思ったら
ちょうど佐江も近くのスタジオに来ているからと3人での出演になったのはいいんだけどさ・・・・・・




「無理だよだって・・・・・・もん」

「うわあ・・・・・まじか」




お二人さんさっきからなんの内緒話をしてるんだか・・・・・・
お2人さん仲いーデスね、ずいぶんと・・・・・・はあ。


敦子が強いのは知ってるけど
自分が嫉妬心がこんなに強いなんてしらなかった。




でも、敦子も敦子だよ。

あんないちゃいちゃしちゃってさ。
あたしと付き合ってるのにさっきから話しかけてこないし。



「高橋さーん、ちょっといいですか?」

「はーい」


あれこれ考えてるうちにスタッフさんに呼ばれた。



「ちょっといってくるー」

「うん」「おーいってら」



ちょ・・・・・敦子、うんって。・・・・・・はあ。





スタッフさんの話を聞いてから
楽屋へ急ぎつつ敦子と話すきっかけが何かないか考えてみる。


ん〜・・・・・・あ!


この前渡せなかったお土産渡すっていうきっかけがあるじゃん!!

よし!!高橋がんばりマス。


がちゃ

「あ〜つ・・・・・・・・・え」


「・・・・・・・っ!」


あたしが見たそのときの景色は


楽屋と楽屋にあるソファーに腰掛ける佐江、

その佐江に膝枕してもらってすやすや寝ている敦子。







そして









その敦子にキスしようとしている佐江。







「さえ・・・・・?」

「ご・・・・ごめ「何やってんの?」



一気に空気が重くなる。



「佐江が悪いの!あっちゃんはただ寝て・・・・」

「敦子はあたしの彼女って知ってるだろ?」


「・・・・うん。」



つい口調が悪くなった、頭が熱くなる。


「・・・・・・ん・・・・・・あれ?どーしたの・・・・?」




敦子が目を覚まして、あたしたちのいつもと違う空気を感じ取ったのか不安げにあたしと佐江を交互に見ている。




「・・・・・・敦子いこ」

「えっ・・・・・・どこへ」




あたしの怒った声を聞いて敦子が少しおびえてる。



「どこだっていーから」


「もうすぐ収録じゃん」



「それまでに戻ってくる」




「・・・・・・」



何も言わずにうつむいた敦子の手を引っ張っる。


「・・・・・・いこ」

「うん・・・・・」



何も言わずに手をひっぱり歩くあたしに敦子は何も聞かずについてくる。

あーあたし何やってんだか。



「・・・・・・・たかみな」


話しかけられたけど
なんとなく顔を合わせられなくて
振り向かずにずんずん進む。


「・・・・たかみな」



ずんずん・・・・・・



「たかみな!」


「はい・・・・・」


一気に敦子の声のトーンが落ちたからついふり返ってしまった。


絶対怒られる。
おそるおそる顔をあげてみると。



「敦子・・・・・・?」






敦子は怒ってなかった。






「・・・・・なんで・・」





泣いてる・・・・・・敦子が。

ぽろぽろ涙を流して。


そんな敦子がはかなく見えて


「ごめん」


謝罪してから敦子を抱き寄せる。


震えて少し声が裏返りながらも敦子が

「なんで怒ってるの?あたし・・・・・・なんかしたっけ・・・・?」

とつぶやく。




「ごめん。あたし佐江と敦子が仲よくしてるのに嫉妬しちゃって」


「・・・・・・ごめん。」


「それに楽屋に戻ってみたら膝枕されてるし・・・・・」


「・・・・・ごめん。」




「それに・・・・・それに・・・・佐江に・・・・・キスされそうになってた。」


「・・・ごめん・・・・・・え!?」


目をまんまるにして驚いてる。


「敦子のことねらってるやつなんて沢山いんだからさ。あたし以外の前で隙みせんなよ・・・・・・」


「ごめんね、心配させて」


ぺこりとお辞儀して謝ってくれる敦子がなんだかすごく愛しくなってもっかい抱きしめた。


「・・・・・・でもされそうになってたってことは、キスしてなかったんだよね?あたし」



「うん」


「よかった・・・・・・えへへ/////」


顔を見合わせるとなんだかおかしくなってきておでこをくっつけて笑いあう。


「・・・・・・あ、ねえ。たかみな」



「・・・・・・なんデスか」



「収録さ。あとちょっとで始まるんだけど・・・・・・」



「うん・・・・・・って、うええ!!!!あ!やべ!急げ!!」



そういって敦子の手を取る。
敦子も握り返してくれる。


そしてあたしたちは収録現場へ走り出した。









そのあと・・・・


「さっきは、ほんっとごめん」


「ほんとだよ。いくら佐江でも敦子にキスは・・・・」


「え?」


「え?」



「え?キスって?」


「え?だって顔近づけて・・・・・」


「え、さっきはこの前優子があっちゃんって赤ちゃんのにおいするっていうから嗅いでみようかと・・・・・・嗅ごうとしたからたかみな怒ったんでしょ?」


「・・・・・・佐江・・・・まじごめん・・・」


「え?」


「それと・・・・・・ありがと」

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