飛び降り指揮者

□実験室と探し物
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俺より後ろを歩いてて、俺の背中を押しながら一緒に歩く。





「──っ!!──!」



誰かが叫んでるけれど、俺が後ろを向いても、後ろにいるのは母さんだから、後は何も見えない。




「──!!──!」



叫ぶように喚く声が聞こえるけど、何を言ってるか分からない。








「貴方はいい子ね。本当に大事な息子よ。」


急に離しかけてきた、母さんの声はとても優しくて、嬉しくなった。




「あの子とは大違い。本当に貴方だけなのよ?大事な子供は。」



「あの子って?」




「知らなくていいのよ。たった今、その子を置いてきたんだから。」


母さんの優しい声がだんだん憎しみが生んだような話し方になった気がした。

 
     ”お兄ちゃん”



今母さんとしか話していないはずなのに、なぜか声が聞こえた。




    ”お兄ちゃんおいていかないで!”





その声を聞いていたら、急に悲しくなってでも誰もいなくて。






       ”おにいちゃん!!”



俺は一人っ子のはず、だけどその言葉がしっくりきて、






ねえ・・・・本当に俺、一人っ子だったけ?
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